竹村彰通

データという用語には価値判断が入る余地が少ないため、意味がわかりやすい。データとは観察や実験をすることによって記録された数字や文字というように考えればよい。例えば毎日の気温や株価の動きの記録がデータである。また、アンケート調査をおこなって回収された調査票に書かれた記録もデータである。一方で情報という用語には有用性が含意されていることもあり、使われる局面によって意味あいが異なる。「諜報機関が情報収集をおこなう」というような表現では、収集しようとしている情報は特定の目的に対する有用性がその本質である。一方で「毎日の気温や株価の動きを記録した情報」という表現では、情報はデータと同義である。以下では「情報=データ+特定の目的に対する有用性」と理解することとし、情報はその有用性や使われ方をこめた概念であるとしよう。